SAS(睡眠時無呼吸症候群)

眠っている時に「呼吸が止まっている」「いびきがうるさい」と言われたり
しっかり睡眠をとっているのに日中に強い眠気や疲れを感じる、
夜中に何度もトイレに行く、といった症状に心当たりはありませんか?
これらはSAS(睡眠時無呼吸症候群)の症状の一例です。
疲れているから、気のせいだと放置していると日常生活に支障が出たり、重大な疾患の原因となることもあります。
しかし、正しい治療を受けることで症状の改善が期待できる疾患です。
いびきや眠気など気になる症状がある方、ご自身の睡眠に心配事がある方は健康維持のためにも一度当院へご相談ください。

 

SAS(睡眠時無呼吸症候群)とは?

SAS(睡眠時無呼吸症候群)は、睡眠中に呼吸が止まる、もしくは浅く・弱くなることで十分な睡眠をとることができず、さまざまな合併症を引き起こしたり日常生活に障害が出る疾患です。
夜間に無呼吸が繰り返されることによって血液中の酸素量が低下したり、無呼吸ごとに目が覚めてしまうことで身体に悪影響を及ぼすと共に睡眠を妨げ、日中の眠気や疲労感を増加させてしまいます。

●発症のメカニズム

SASの病態の多くは、上気道(空気の通り道)が睡眠中に塞がってしまう、または部分的に狭くなることで起こる閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)です。
首回りに脂肪が多く付いていると上気道が狭くなりやすいため、肥満とSASは深い関連があるといわれています。
しかし、肥満でない方でもあごが後退していたりあごが小さいことなどもSASを引き起こす一因となります。
そのほかにも、扁桃腺の肥大や舌が大きいこと、鼻炎・鼻中隔湾曲症といった鼻の疾患も原因となることがあるため、注意が必要です。

 

●OSASが引き起こす合併症

OSAS(閉塞性睡眠時無呼吸症候群)になると身体は睡眠中に酸欠状態となり、少ない酸素を全身に巡らせようと心臓や血管に大きな負担がかかってしまいます。
この状態が長く続くと、高血圧症や糖尿病、虚血性心疾患、脳血管障害などさまざまな生活習慣病の合併症を引き起こす可能性があります。
また、小児のOSASにおいては、特に発達障害が問題となるケースが多くあります。
睡眠が妨げられ、睡眠中の成長ホルモンの分泌が不足するためといわれています。
呼吸が止まっていなくても、いびきをかくということは呼吸に異常が起きていると考えられるのです。

 

検査から治療までの流れ

①問診

いびきや無呼吸などの症状は患者さまの睡眠中に起きているため、ご自身が的確に症状を訴える・自覚することはなかなか難しいものです。そのため、症状が存在するかどうかをご家族からもヒアリングすることがあります。
また、肥満度や体重の変化、生活習慣病の合併や、甲状腺機能の低下や末端肥大症などの内分泌系の疾患にも注意する必要があります。

②スクリーニング検査または簡易検査

●スクリーニング検査(ご自宅での検査)
ご自宅にて簡易検査装置と指先にセンサ(パルスオキシメーター)を装着していただき、血液中の酸素の状態と脈拍数を測定します。

●簡易検査(ご自宅での検査)
ご自宅で指先センサと呼吸センサを装着していただき、血液中の酸素と呼吸の状態を測定します。

※重症度や病状によっては、医師の判断で③精密検査を行わず、ただちに治療を開始するケースもあります。

③精密検査(医療機関での検査)

ポリソムノグラフィー(PSG検査)は多くのセンサを身体に装着し、睡眠、血液中の酸素、呼吸の状態など測定する睡眠の検査では最も精密な検査方法です。
微細な信号である脳波を捉えるために、検査に適した部屋への入院が必要となります。
検査に痛みを伴うことはありません。

④治療方針の決定

●CPAP療法
CPAP(シーパップ)療法とは、CPAP装置からホース・マスクを介して処方された空気を気道に送り、常に圧力をかけて気道が塞がらないようにする方法です。
この方法を適切に行うことで、睡眠時の無呼吸やいびきが減少し、OSASによる症状の健全が期待されます。
治療器具を継続して使用する必要がありますが、OSASに対して高い治療効果がある方法として取り入れられています。

 

●口腔内装置による治療
下顎を前方に固定して、空気の通り道を開くようにする装置を装着し、就寝します。
口腔内装置の作製は健康保険の適用となります。

●手術による治療
気道閉塞の原因がアデノイド肥大や扁桃肥大などの場合は、手術で取り除くことがあります。
また、鼻閉を引き起こす鼻疾患はCPAPや口腔内装置の治療を妨げるため、手術が必要となる場合があります。
必要に応じて、連携する医療機関をご紹介させていただくことも可能です。

●生活習慣の改善
生活習慣の改善のみでOSASを治療することは困難ですが、その他の治療法と組み合わせることでOSASの症状を軽減することが可能です。また、少しでも質のよい睡眠がとれるように環境を整えることも大切です。

<減量>
肥満が原因でOSASとなっている場合には、減量による改善を図ります。
4年間にわたり体重の変動とAHI(無呼吸低呼吸指数)の変動について観察した結果では、10%の体重減少でAHIが26%減少したという報告もあります。(Peppard PE,et ai.JAMA 2000;284(23):3015-3012)

<横向きに寝る>
重力の影響を少しでも受けないよう、身体を横向きにして寝ると症状が軽減するケースもあります。

<減酒>
アルコールはのどの筋肉を弛緩させる作用があるため、いびきや無呼吸を引き起こしやすくなります。
また、寝つきがよくなることもありますが、一方で夜中に目が覚めたり、浅い睡眠を増やすこともあります。

 

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